一生分の愛を君へ

「まぁ別に小宮さんの話はどうでもいいわけ。」

自宅の前でバイクから飛び降り拓郎は言う。

「俺はその後も楽しく恋愛してる。」

「うん。」

「何となく盛り上がっちゃったのと、恋い焦がれるのとは違うでしょ。」

「うん。」

「見極めろよ。」

「うん。」


赤ん坊の頃から一緒に過ごした俺たちは
同じ幼稚園、小学校に進み共に成長した。

誰からも人気の拓郎は、誰にどこに誘われても必ず俺を隣に置いといた。

2人で基地を作り、海に行った。
山で迷い、拓郎は号泣した。
手を繋いで住宅地に着いたとき、泣き叫ぶ俺を指差して拓郎は笑っていた。

4年生でミニバスを始めて、中学校でもバスケをした。
2人して部活推薦をもらい、同じ高校に入った。

バスケばかりして、休みの日に自転車で横浜に行く計画を立てた。

汗だくで真っ黒に日焼けした俺たちは、山下公園で海を見た。

当然のように同じ大学を選び少しずつ大人になった。

バカな拓郎にブレーキをかけるのも、一緒に走り抜けるのも俺の役目だった。

小さな世界で必死に走り回った俺たちは、恋愛を見極めなければいけない歳になったのだ。

見極めよう。
胸を張って答えを出そう。