一生分の愛を君へ

『4月に初めて野球終わりに出くわして。勇気を出して傍通ったら、えーと何だっけ!誰だっけ!って散々頭捻ってから「ゆかちゃん!」って叫んだんです。』

孝介は人の名前を覚えられない。いつもそうだ。

「なにそれ最低。孝介最悪。」

『でも私なんだか楽しくて、カフェに誘ったんですよ。そしたら孝介さんユニフォームのまま来たんです。』

どうやらかなちゃんは度胸がある。
多分孝介のファンじゃなくて、孝介が好きなんだろう。

「今度はあいつも連れてくるよ。」翼が言う。

「野球がない日に連れてくる。」

かなちゃんは嬉しそうに笑った。

「ところで。」
翼は突然後ろを振り返る。真人に声をかけた。
ビールを飲む彼らは、3人揃って俺たちを見た。


「舞って人なんで来ないんすか?」