一生分の愛を君へ

はい。と可愛らしい返事が聞こえ、また冷えたジョッキが現れる。

トクトクと金色のビールが増えていくのをじっと見つめた。

『私…』

「え?」

『こんなタイミングでごめんなさい。』

「あ、ううん。何?」

『私、実はずっと孝介さんのファン。』

「孝介!?」

『そう。』

かなちゃんの頬が少し赤く見えた。
目の前に新しくビールが置かれ、空のジョッキが去って行く。

意外だった。そんな素振りまるでなかった。
ように思う。

『一回店の外で会ったんですよ。私は犬の散歩してて、孝介さんは野球してました。』

「あいつはいつも野球だよ。な?」

翼が頷く。

『何かすっごく楽しそうで、こっちまでわくわくして、で、なんて楽しそうに笑うんだろうと思って。』

やっぱり。あいつの笑顔はすごい。
男の俺が見たってちょっと可愛い。

『そこのグラウンド、散歩コースにしてよく見てたんです。あ、もしかしてキモいですか?』

『いや全然。』

俺だって毎日この店の前を通っているんだ。なにも言えないぜと思い隣を見ると、翼は案の定俺を見ていた。
慌てて前を向きな押しかなちゃんの話を待つ。