一生分の愛を君へ

海風には今日も変わらず木場さんと、アルバイトの夏苗ちゃんがいた。

「お!かなちゃん久しぶり。」

かなちゃんはにこりと笑う。
『2人ですか?珍しい。』

「たまにはね。かなちゃん現れないから退職説流れてたよ。」

あははは。かなちゃんの高く細い笑いが響く。

『想生さん、私その説実現しちゃう。就活してたんですよ。』

就活。耳が痛い。

「決まったの?」

『はい。』

「おめでとう。」

『ありがとうございます。』

あの。と翼がはじめて声を出す。
『はい。』

「生二つ。」

『あ、はい。』

冷蔵庫から冷えたグラスが現れ、ビールが注がれる。

小さな手で注ぎながらかなちゃんは言った。
『就職。』

「え?」