一生分の愛を君へ

月の砂漠記念館の前に自転車を停め、ふたりはレジャーシートとクーラーボックスを担いで浜へ歩いた。
ラクダの前には孝介と翼が座っている。

「よーす!」
拓郎が言うと、孝介もよーすと言い翼が手を挙げた。

俺も続いてよーすと言い、レジャーシートの上に4人は座り直す。

「今日はあれだろ?想生の完敗に乾杯だろ?」
孝介は愉快そうに言った。

「…どうゆうこと?」
俺以外の3人は持参したガスコンロに火をつけ、ビールを飲みながら手際よくインスタントラーメン作りを続けた。

「ちげーの?拓郎からそう聞いてんだけど。」

翼の言葉に拓郎を睨むと、拓郎はきょとんと俺を見る。
「だって昨日のあれで今日そのテンションじゃそう思うじゃん。」

くるりとガスコンロに向き直す。

「お祝いなら喜んで切り替えるんだけど。」

ぐつぐつぐつぐつとアルミ鍋の中でお湯がなった。

「完敗だよ。」

プシュップシュッと新しい缶ビールが4つ音をたてて開いた。
「「「「乾杯!」」」」

4つの声が重なり、やがて笑い声が響く。