一生分の愛を君へ

二度寝をしてゆっくり目覚め、シャワーを浴びると17時前だった。
クーラーボックスに氷とビールを入れ、自転車にくくりつける。
ハーフパンツとTシャツで首にタオルを巻いた俺は、財布だけもって自転車をこいだ。
ペダルを踏み込むとギギッギギッと音がする。
強く強く踏めば踏むほどスピードが上がりぐんぐんと進んだ。
少し傾いた太陽は、今朝のように少しずつオレンジ色を帯びてくる。
こいつは地球の裏に帰り、明日の光を一杯に溜めてまた現れる。
よし、と思い再度スピードを上げた。

拓郎の家の前につくと、レジャーシートを荷台に乗せた拓郎が「よう」とそこに構えていた。
俺たちはハイタッチをして並走し始める。
ふたりで自転車をこぐときは、必ず俺が右でこいつが左。小さいときからの決まりだ。
向かいから人や自転車が来ると、俺がすすっとスピードを落とし直列になる。
すれ違うともとの位置に戻る。
いつの間にか定着したやり方。