一生分の愛を君へ

走って走って、出会った海岸に停車する。
出会って、会いたくないと言われた岩和田に。

舞も思い出したように呟いた。嫌なことは思い出さないでほしい。
『ここ…』
「家近いから。ていうかそこの奥。」

舞の言葉を遮り、言い訳をする。
ここで話をしよう。舞と朝日をみよう。それはとても素敵なことだと思った。
「階段座っといて。そこから動くなよ。」

ベスパから降りて階段に座るとこまで見届け、家に向かった。角を曲がる前にもう一度確認して、玄関へ走る。
朝方なので慎重に鍵を開け、そうっと洗面所にいく。冷たい水で顔を洗い、綺麗なタオルを二枚持った。

そうっとそうっと玄関を出て鍵をかけ、舞のもとへ走る。
舞はコンクリートの壁に寄りかかり寝息をたてていた。日の出まではまだ10分ほどあるだろう。
太陽の日が当たる前に舞の頭にタオルをかけ、自分の頭にもかぶせた。

あとは朝日が上るまで、隣で座っていよう。