一生分の愛を君へ

舞の涙は少しおさまったようだ。
「何泣いてんの?」

『泣いてません。』

「うわっすげぇ嘘!ビックリ!」

そしてその嘘はすんごく可愛かった。

『何なの?何でいんの?』
真っ赤な目で俺を見つめる。やめろよ。可愛くて爆発しそうだ。
「お客さんなんですけど。」
カウンターからジンジャーエールが出される。
「どうも。…一人で来るの珍しいじゃん。」

『いいでしょ。』
いいけど…。

「何で帰るの?」
『始発。』
「うわっめんどくさくね?あのうるさい奴は?」

まさか迎えに来ないだろうな!と、少しハラハラする。
『真人?』
「だっけ?」
『呼べば来るけど。』
来んのかよ!
来んなよ。

「女王かよ。」
横をみると、ふてくされているようだった。そんな顔したって可愛いだけだ。

「あ、俺のこと嫌いなんだっけ?」
『そんなこと言ってないじゃん。』

ふぅん。言ってなかったっけ?そうか。じゃあいいけど、俺は傷ついていたんだ。
でもどうやら嫌われてないらしい。さて、今後の動きを考える。ストローでライムを潰して一気に飲み干した。
「会計お願いしまーす。二人ぶん。」
舞はぐいんとこちらを向き、左手で俺を制止した。

『は?待って待ってまだ4時だよ電車ないよ。』
眉をしかめ、口と目を開きおおいに慌てている。
まぁまぁまぁまぁという言葉を込めて、舞の肩を5回叩いた。
「いいから付き合えよ。ここ奢るから。」
付き合えよ。
自分で言って何だか恥ずかしくなってしまった。ちげぇよそういう意味じゃねぇよ。と言いたかったが、よけいなことだと思いさっさとお金を払う。