一生分の愛を君へ

美帆の泣き方は、小宮さんによく似ていた。
手で顔を覆い、声を出さずに泣く。血は滲んでいないのに、美帆の方が随分痛々しく見えた。

「わかった。わかったよ。」

その答えが正しいのか分からない。でも俺には、そう言うしか浮かばなかった。

美帆を家まで送ったら、海風の前を通って帰ろう。

『ごめん。取り乱した』
そう言う美帆の目は赤い。赤いけど、目の回りが少し黒い。
何だか意地らしくて、こいつはただ男の扱いがうまくてモテているわけではないんだなと。
何かがある気がすると。漠然と思う。