一生分の愛を君へ

拓郎はわわわと叫んで金魚を観察池に投げ込み、小宮さんは声を殺して泣いた。
俺は彼女のくるぶしに少し滲んだ血から目が離せず、固まっていた。

拓郎が呼んだ先生に拓郎がいきさつを話、拓郎が怒られ先生と小宮さんは保健室に。
残された二人で片付けをした。
掃除の時間が終わり教室に戻ると、くるぶしと左手に絆創膏を貼った小宮さんが座っていた。
「ごめん。」
と言うと、小さな声で『うん』と頷く。
「痛くない?」
と聞くと、さっきより少し大きな声で『痛くないよ』と微笑んだ。
もう一度ごめんと言うと、あははと笑い『また明日』と帰っていった。小宮さんは颯爽としていた。