一生分の愛を君へ

「信号ってさ、一番渋滞が起こらない絶妙なタイミングで設定されてんだぜ。」
突然こいつは言う。

「誰が計算したんだろうな。」
うーん。
「国土交通省?」

「想生って結構バカだよな。」
言ってからこちらを見てうははと笑った。
「国土交通省が信号一個一個見なくね?そういう仕事の人がさ、いるんだよ。多分。」

ほう。

「僕の職業は、渋滞を緩和させるために信号の変わるタイミングを計算することです。」

ほうほう。
どうだ。という顔でこっちを見る。
「ちょっとかっこいいね。」
「だろ?」
拓郎は満足そうだ。
波の上を、ヨットマン達がすいすい進む。
「舞さ」
俺も突然喋り出す。
「うん。」
拓郎は俺の突然を受け入れる。
「去年の6月に、家の前の砂浜で会ったんだ。」
「うん。」
「学校の帰りだったんだけど」
「岩和田?」
「そう。」
「うん。」

好きなんだよ。すごく。何故だか。