一生分の愛を君へ

月の砂漠記念館前に着くと、拓郎はベスパから飛び降りた。
ヘルメットを外してベスパにつけ、道路を海側に渡る。
ちょうどハトに餌をやる5歳くらいの女の子と父親がいて、女の子は道路の逆サイド(つまり俺たちがベスパを停めた側)に行こうとしていた。

すると父親が大きな声で、こら!渡るなって言うの!と女の子を叱った。
その声に拓郎がびっくりして左足を滑らせ、右足で踏みとどまった。

拓郎は声をあげなかったので父親は気づいていない。
道路から川をわたり砂浜に続く小さな橋の手すりをつかみ俺を見た。
馬鹿じゃねーのと思った。
道路をわたり拓郎に追い付くと「びっくりしたよな?な?」と目を見開いたので、今度は声に出して
「馬鹿じゃねーの」と言った。
肩パンチを右にくらい、砂浜に向かって歩いた。
そこには変わらず、ラクダが二頭海に向かってポーズを決めている。
「おいおい相変わらず決まってんな。」拓郎はラグダに跨がるそいつらに向かって声をかけ、足元に腰かけた。
続いて俺も座る。
舞に出会ったのは隣の岩和田海水浴場。
舞は月の砂漠記念像を見ただろうか。