一生分の愛を君へ

拓郎は自宅の前に立っていた。
「さんきゅー」と手を振り近づいてきて、さっと手を出す。
俺は黙ってヘルメットを渡し、前を向き直す。
「よし、いけ」という声に合わせて走り出す。
拓郎は、うぃーと軽快な声をあげた。

月の砂漠博物館までは拓郎の家から20分もかからない。

風をびゅんびゅんきり、俺たちは進む。まるで冒険にいくように。俺は思わず真剣な顔になる。

ミラーを覗くと、眉間にシワを寄せ前をにらむ拓郎がいた。
多分コイツも、同じように高揚しているだろう。