一生分の愛を君へ

俺がオムライスを食べ始めると
孝介は目の前に腰掛け肘をつき、俺をジロリと見た。
「…何だよ。」

孝介の目は外れない。

「明日美帆んち行くの?」
ん!?

「何で知ってんの!」

「知らねぇよ。イヤらしいなぁ。」

孝介はにやにやと笑い、着ているパーカーのファスナーを上まで上げた。

「でもまぁ想生も予想してたっしょ?」

「…。」

図星だった。

美帆は大原駅からバスで20分の実家を出て
大学の最寄りの浪花駅前に独り暮らしをしている。

たったひと駅通えばいいのにとも思うが、大学に受かったら独り暮らしをさせてもらうのが約束で
親戚が持っているマンションに安く住ませてもらっている。

長野から出てきて小さな学生アパートに住む孝介が日々羨む部屋だ。

クリスマスに混まないデートはきっとそこしかないと気付いていた。

「拓郎にチクろう。」

インフルエンザで寝込む拓郎に電話をかけた。