一生分の愛を君へ

当然のように美帆は俺をクリスマスデートに誘った。
『どっか行こうよ。』

海風の窓際ソファ席に腰掛け
美帆は俺を上目使いで見た。
俺は窓の外で降る雪を見つめる。
風が吹き、ガジュマルがなんとも寒そうに揺れた。

「やだよ。どこも混んでてめんどくせぇ。」
チラリと美帆を見る。

美帆は予想外にも口許をにやつかせていた。

「…なんだよ」
『どこも混んでるから、嫌なんだ?』
ずいっと身を乗り出す。
美帆の顔は自信に溢れていた。

「っつうか…」

『つうか何?混んでるからって言ったじゃん。』

「や、そうなんだけど…」
『混まないとこ行くから!はい、もう断る権利なーい。』

強引だ。すごく。
うすーい黄色のカーディガンの裾で手を指先まで隠して
にひひ、と笑った。
なんだか俺も
デートしてみようかなと
思ってしまった。