一生分の愛を君へ

大学まではいつもベスパで通っている。
自宅から20分ほど海沿いを走り大学に向かう。

新緑がざわつくこの季節が俺は大好きだ。

朝の太陽にミラーがピカピカと返事をしていた。

裏門につき、駐輪場にバイクを停める。
桜のトンネルは新緑に輝き、ほんの少しひんやりとする風を存分に楽しんでいた。

少し奥に目をやると
いつもつるんでる拓郎がボケッと立っているのが見える。

レンガ造りの校舎に寄りかかり、空を見つめていた。
俺はベスパのミラーの向きをくるりと変えて、拓郎の顔に白い光をチカチカ当ててやった。

拓郎は目をシパシパさせながら体をびくつかせこちらを見る。


目が合いニヤリと笑って見せると、今度は手で光を遮り
やめろやめろと言いながら走りよってきた。