一生分の愛を君へ

心からそう思ったのに。
何もできない。

彼女は涙を流したまま、俺の前からいなくなった。

「ちくしょう…」

しばらく心臓が早すぎて
何も考えられなくて、浜を歩いた。

ポッケに手をいれて海を見ていたら
海はすっかりオレンジだった。

「なんなんだよー…」

悔しくて悔しくて悲しいのに、波は静かに音をたてるだけだ。

そんな空気をぶち壊すように携帯がなった。

「もしもし?」

『想生ー?何で学校来ないの。』
相手は美帆だった。

「俺今日行く必要ねぇじゃん。」

『…お詫びに奢るって言ったじゃん。』

俺は今日、あの坂の上の紫陽花が満開なことを知っていた。

昨日、美帆とあの場所にいたからだ。

「忘れてた…」
『素っ気ないなぁ。とにかく待ってたんだよ。私だって今日は午前だけだったのに。』
美帆に昨日、つれてけと言われ

ベスパで向かい、好きだと言われた。