一生分の愛を君へ

「俺ここすげぇ好き。しかも見せたがりだからさ、連れてきた。」


紫陽花を見ながら言ったけど
彼女は何も言わない。

チラリと見ると

大きな瞳は俺の顔をじっと見ていた。

照れくさい。
照れくさいじゃないか!

「俺に見とれんなよ!紫陽花見ろ。」


小さな口はニッコリと言った。
なんとも暖かい笑いだ。

『見知らぬ女をよく連れてこようと思ったね。』

「見知らぬ男によくついてきたね。」


彼女は更にニッコリと笑う。
それはとても、いい感じの笑いだった。

「何笑ってんの?」

『何でもない。
いやーいいもん見た。ありがとう。そろそろ帰るよ。』

「わかった。」

ベスパに股がるとき
彼女はもう一度
ありがとうと言った。