一生分の愛を君へ

「車貸せよ。いいとこ連れてってあげる。」

一か八か。
でも自慢の景色を見せたいと、本当に思ったんだ。

警戒されたか?
と不安になる間もなく、ひょいっとキーを渡される。
言ったこっちが困る早さだった。

「あっ!待った。」
『何?』
『車は置いてこう。バイク持ってくる。ここにいろよ。』

すごく素直で
はじめの気の強い印象はすっかり消えていた。

『うん。分かった。』

彼女はそう言ったけど
少し、しくじった。と思う。
この隙に、いなくなるかも。
焦りがばれないように早歩きで自宅に向かう。

不安になり

「待ってろよ。」
ともう一声かけて

「見知らぬ男に車預けんなよ。」
とさらに一声かけて
今度は全力で走った。