一生分の愛を君へ

想生は簡単に、私の正体を当ててきた。

探偵みたいだと思った。
行くとこ行くとこ現れる。
電話の相手をさっと当てる。探偵なればいい。
落ち着いたら笑ってそう言ってやろう。

「今から会う?」

『…うん。』

「海風か、海にいて。家の前の。俺今学校にいんの。」

そこでようやく、想生の後ろが騒がしいことに気づく。
女の子の声もして、モヤモヤした。
クソッと思った。

『早く…来てよね。』
「ふふっわかった。」

想生は笑っていた。

少し恥ずかしかったので、急いで電話を切る。

顔が熱い…。

私は、海で待つことに決めて車のエンジンをかけた。
ブルルルルンと音をたて、車が動き出す。
浜までは、30分ちょっとだ。