一生分の愛を君へ

「何泣いてんの?」

『泣いてません。』

「うわっすげぇ嘘!ビックリ!」

『何なの?何でいんの?』
「お客さんなんですけど。」

想生の前に、ジンジャーエールが届き
想生はどうも、と会釈する。

「1人で来るの、珍しいじゃん。」

『いいでしょ。』

「何で帰るの?」

『始発。』

「うわっめんどくさくね?あのうるさいやつは?」

『真人?』

「だっけ?」

『呼べば来るけど。』

「女王かよ」

ふと目線をあげると
少し離れたところでグラスを拭く木場さんが見えた。
薄暗い明かりが
カウンター内に並ぶボトルたちに反射して
木場さんをキラキラと照らしていた。