一生分の愛を君へ

しばらく飲み続けるともう頭の中はとろりとしてきた。

指先もじんわりと力が抜け出す。

視野が狭く、随分と気持ちのいい感覚だ。

最近あった出来事は?
と言う話題で、真人か言った。

「舞が誕生日だったよ。ついこないだ。」

おー
と言う小さな歓声があがりみんなが拍手をした。

全然こないだじゃないけど、と思いながら
手を顔の前にあげ、どうもどうもと笑いながら頭をペコペコ下げた。

笑い声と拍手をした聞きながら、とろりとした頭で今年の2月2日を思い出していた。

私は真人とあー君と、岳のお墓の前に来ていた。

久々に喪服に手を通し、白い菊を21本買った。

手を合わせ、花を手向けようと腰をおろす。

あー君が、随分買ったなと驚いていた。
21本。誕生日に年の数だけあげるのは鉄板でしょ。
と言うと
真人が悲しそうに笑った。
もう一度手を合わせて、たくさんたくさん祈って、車に戻ると、真人が白い菊をニ本持っていた。


「岳はもう21歳にはならないよ。」

真人はそう言って
私は泣いた。

このニ本は俺の。
真人は泣き顔みたいな顔で、笑っていた。