一生分の愛を君へ

「今日予約が入ってるんだ。」

木場さんがそう言ったのは、久しぶりに雨が降らない6月の夜だった。

『嘘。私たちいて大丈夫ですか?』


「大丈夫だよ。貸切りとかじゃないから。」

木場さんはジョッキにビールを注ぎながら、大丈夫大丈夫、と言った。

お店で働くこの人は、本当に楽しそうだと思った。

「何の予約?誕生日とか?」

真人の目の前に冷たいジンジャーエールが置かれる。

「うん。22歳の誕生日だってさ」

私の前にもジョッキが置かれる。

ゴンッと、ジョッキがぶつかる小さな音が
店内に響き、BGMに掻き消された。