ライブの日は
夢の中にいるようだった。一日中岳が近くにいるのは消して珍しいことではなかったけど。

仲良くなったキッカケの音楽に一緒囲まれた一日が、とてつもなく幸せだったんだ。

日常の生活に戻っても、頭のなかは音楽が流れる。

バイトばかりの私と、頭のいい大学に通う岳

ヒマさえあればふざけあい飲みに行き
遊びに行き
けたたましく秋を迎えた。

私は何度も何度も
気持ちを伝えた。
それは好きと言う言葉ではなかったけど
彼女作るなよ、と言ってみたり。
今日は朝まで遊んでよ、とねだってみたり。

その度に私の気持ちを知っている岳は
ニヤリと笑って頭を撫でた。

「いいよ。」
とそれだけ言って。