「あぁやっぱやべぇなぁライブ!!」

「すげー楽しかったよなぁ。」

ライブの熱が覚めきらないまま、買ってきた花火をすると
打ち上がっては散って行く花火がいつもより儚く
切なく見えた。

「夏も終わりかな。」

『まだ8月じゃん!』

「あと一週間で9月。」

『そうだけど‥』

「秋は芋だ!」

ニカッと笑った岳の白い歯は、なんかアイドルみたいで腹が立ったけど
上に高く掲げられた手を見るだけで
私はあの手の感触を思い出す。
そしてまたドキドキする。

絶対忘れない。あの湿った手の感触を。
間に挟まった砂のざらざらした感触まで。