『ごめん。』
いや、いいけど。と言いながら空いた方の手で頭をかいた。
「て言うかさ、奇跡じゃね?普通また会うか?すげぇよマジで。」
意外だった。奇跡なんて言葉。
『そうだね。当たり前みたいにまた、ついてきちゃった。』
何て綺麗な横顔なんだろう。すっと鼻筋がとおり、切れ長の奥二重茶色い前髪がかかる。
きっとモテるんだろうな。こりゃ女が放っとかないわ。
テレビの中の人を見るように、缶コーヒーを飲む姿を見つめた。
「よく生きてたじゃん。」
振り向きいたずらっぽく笑うから、私の鼓動が早まる。
ここでこんなことをしていてはダメだ。
そんな気がして吐き気がした。


