一生分の愛を君へ

「何か奢ってやるよ。」

想生はある程度離れた、でも視界には入る自動販売機の前で止まりハーフパンツの後ろポッケから茶色い革の財布を出した。


財布は使い込まれた茶色で【porter】と書いてあった。
私はいい色だなぁ、と思いながら
『アクエリ』
と答えた。

「男2人つれて、いい身分だな。」

ガコンと音がなり、自動販売機の取り出し口に青い缶が落ちた。

私は、取り出し口に手を入れて缶を取り出す想生をしばらく見つめた。

想生が振り向き缶を手渡すとこで、ようやく声を出せたのは

想生の大きく細い手に、見とれていたからだ。


『あの2人は、男とか言う部類じゃないの。』

「何それ。中性的な感じなの?」

想生は再び自動販売機に向き直し、冷たい缶コーヒーを買った。
無糖の。

『ちがうよ!』

缶を取り出す想生の口元が笑った。