一生分の愛を君へ

「舞?」
あー君が心配そうに私を見る。

真人が不思議そうに首をかしげる。

細い足の男は、すたすたと私の方に向かって来る。

思い出すのは背中越しに受けた風。

「…知り合い?」

あー君の問いかけで我に帰ると、男はもう数メートル先まで来ていた。

そして目の前まで来て言うのだ。


「どうも、怪しいものじゃないですよ。この女貸してください。」

「いや怪しすぎるだろ!」

と、思わず叫ぶ真人を無視して、あー君が私を差し出した。

「声が届かなくて、視界に入るとこまでなら貸し出します。」

いつもの優しい、信頼した笑顔だ。

「恐れ入ります。」

そう言って頭を下げると顔を向き直し、人差し指をクイクイッと動かし私を呼んだ。

「何?展開早すぎてわかんねぇよ!」

と言う真人をまたもや無視して
私は想生の後ろに続く。