一生分の愛を君へ

ぐっすり寝たはずの私に、睡魔は容赦なく襲い掛かる。

頭の中に白い雲が湧いてきて、胸の奥がずぅんと重くなるような。

すぅっと
夢の中に入っていった。

真っ白な花がたくさん咲いていて暖かい。
雲の上に寝ているようなそんな気分だ。


立ち上がると足元がふわふわで歩きずらい。

覚束ない足取りで前へ前へ、花を踏まないように気を付けながら歩く。


前を向くと大きな入道雲と太陽。ずーっと先まで続く道が見えた。

道は入道雲の天辺まで続いていて、その先に何かがあるような気がした。


行こう。あそこに行かなくちゃいけない。

必死に足をバタつかせるけど、なかなか前には進めなかった。

早く行かなくちゃ。早く。

『岳!』

そう叫んだと同時に
誰かが私の腕を掴んだ。

生きてろよ


振り返ると
想生が怖い顔をして私を睨む。

もう一度前を見ると
真っ白に輝く入道雲の奥が真っ黒く染まって
天辺には岳がいた。

太く長い紐を握って無表情で私を見つめる。

ダメ

ダメ!

行かないで!