6月の海は曇った空が映り深い碧に染まっていた。

御宿の海はそこそこ綺麗で、青い。

そんな特別綺麗でも汚くもない海の音でさえ私の気持ちを優しくなぜてくれた。


『このまま飲み込まれちゃってもいいな。この海なら。』
呟いたものの冷静に考える。
イヤだ。せっかくなら真っ青で色んな魚がいた方がいい。海のそこまで見えるような。
そこだったら気持ち良く飲み込まれるかも。でも気持ち良すぎて泳いじゃうか。ずっとずっとずっと泳いで島について


ふと我に返り、目の前の曇りのせいで暗い海を見て思わず吹き出した。

『ふふっ』

私って図太いな。