一生分の愛を君へ

真人は迎えには来なかった。

来たのは仕事の途中のあー君だ。

「舞帰ろう。」

真人が連絡したのだろう。あー君はキッチンのユニフォームのままの姿で私の手を引き助手席に乗せた。

『…ごめんなさい。』
あー君の手が私の体をさする。

『ごめんなさい』
春の夜風は、私の体を震えるほど冷やしていた。

「泣くなとは言わないよ。
けど頼むから生きることを嫌がるな。」

息が止まる気がした。

「真人を泣かせるな。お前等は、2人とも弱いんだから」

そう言ったあー君までも、泣いていた。

あー君の涙をみるのは初めてだった。