あの後
あー君の助手席に乗り家に帰った。


後部座席の真人も運転席のあー君も、黙ったまま何も話さなかった。

家の前で車を降りて
後部座席の窓から真人を呼ぶ。

コンコン


『ありがとう!』


真人はビクッと体を震わせて涙を堪えた顔で微笑んだ。
「明後日、花見するからな!誕生日会!」

誕生日を忘れるなんて
テレビや漫画の世界だと思ってた。

真人やあー君の優しさに
また涙が溢れる。

これで気付いた後悔も
流れてしまえばいいのに。