ショックだったのだろう。そりゃそうだ。
あれだけ岳、岳と騒いでた女だ。
真人はそのまま顔を伏せて車の中へと戻ってしまった。
あー君と2人。
ただただ涙を流し続けた。
「はぁ。」
重い溜め息につられ、あー君に目をやると
予想外に笑っていた。
「その行動と、岳の死は関係ない。」
それでも涙は流れ続ける
2人の間を、四月のまだ冷たい風が吹き抜けた。
「お前がどんなに清く正しく生きていたって
岳はこの道を選んだんだろうね。そう思わない?
だって、理由が分からないんだ。」
あぁ気付かなかったなぁ。
「不謹慎だけど
岳に感謝してみたら?
変な関係を辞めれてよかった。
気付けてよかった。」
桜がもう満開だ。
「遅くなったけど誕生日おめでとう。」
私はもう
二十歳になっていた。