真人に引っ張りあげられ、グシャグシャになった顔をあげた。
「舞?」
真人の腕を掴んでいないと立っていられない。
『真人…岳に
好きだって言えばよかった。もっと一緒にいれると思ってた。
会えなくなるなんてこと考えたこともなかった。
どうして私は岳がいる毎日を大切にしなかったんだろう。
何でも分かってるなんて思ってたんだろう。
もう
いつかなんてないのに…何で私は木村君と…』
落ち着きを取り戻すのに
どれだけの時間を使っただろうか。
駐車場のブロックに座らされて
呼吸が整ってから私は木村君とのことを打ち明けた。
話さずにいられなかった。自分のための懺悔だ。
「お前、カッコ悪いよ」
と言った真人の
悲しい顔を
私は忘れることはない。


