貴女は信じますか？

その言葉通り次の週末に和美がどっさりと食材を抱え込み健吾の家にやってきた。
「おいおい、そんなに買い込んできて一体何を食べさせるつもりだい？」
「ふふふ、健吾さんに色々作ろうと思ったら買い過ぎちゃった、残っても冷凍して後で食べれるようにするから、よいしょっと」
そう言うと和美は買ってきた食材をテーブルの上に置いた。
「へえ、ここが健吾さんの部屋か～。男の一人暮らしなのに結構綺麗にしてるのね、ちょっと感動。あ、可愛い！この人形、誰の？」
和美は健吾の部屋を見回すと夏美の形見である人形を手にした。
「それは・・」
「あ、ごめん、大事な人形だった？もしかして前の彼女さんの？」
「う、うん。本当は棺に入れるつもりだったんだけど、当日に俺が高熱を出して告別式に行けなくてそのままになった人形なんだ」