それから2週間後のこと。
医師の懸命な治療が行われたにも関わらず、彼の言葉通り、やはり王妃はお亡くなりになりました。
最期は彼女の横たわるベッドの周りには城中の者が集まり涙を流す中、まるで眠るようにゆっくりとその目は閉じられていきました。
そんな彼女がこの世を去る間際、10才の誕生日を明日に控えた娘に残したのは、一つのペンダントでした。
宝石が埋め込まれた台座に一つの黄色いガラス玉がついたペンダント。
そのガラス玉の中には、その年に初めて栽培が成功した王妃自らが創った新種の小さな小さな向日葵の花が一輪咲き誇っていました。

