そして数週間後。


碧と領主の娘のとの祝言が穏やかな秋晴れの中、大々的に行われた。

それは町内のものたちもみんな集まっての華やかで賑やかなものとなった。

しかしその祝いの席に紅莉の姿はなかった。


その日紅莉は自分の部屋に閉じこもり、薄暗い部屋の中でただただ涙していた。


あの幼い日の思い出を胸に。


あの日の二人はもういないのだと…。