しばらく歩いた後、急に明かりが止まった。
そしてその後で白の声が聞こえた。

「白悠里(さゆり)ー!!
 あったよー!!
 今そっち戻るからー!!」

どうやら無事に探し物は見つかったらしい。

私はホッとして彼女に向けて「分かった」と叫ぶ。


今はさっき僅かに降った霙のせいで、それまでよりも一層寒く感じる。
服が少し濡れてしまったせいだろうか。

そんな事を考えている私の頬に冷たい雫が一粒。

「あ…雨だ…。」

どうやらさっきまでの雪は雨に変わったらしい。