それでも彼女は「大丈夫」の一点張りで、今はもう土手を半分降りようとしている。

彼女が探しているのは、今は亡き幼なじみからもらったペアのネックレス。

彼女の物と対になるネックレスは、彼女の幼なじみがこの世を去った際に共に火葬されていた。

幼き日々を共に過ごした二人を繋ぐ、今では唯一の形あるもの。

だからそれがどんなに大切な物かは私も知っている。

でも今は、それよりも彼女自身の身が心配だった。


以前から白は雪国で育った故にその恐ろしさを知り、私にいろいろと話してくれた。


彼女の幼なじみが亡くなったのも雪の積もった川原の近くを歩いていて、雪に足を滑らせて川へと落ちたせいであった。

もしかしたら、その出来事とあまりに似た状況で無くしてしまったからこそ、この状況で彼女は探そうとしているのかも知れない。