……。
…。

「ねぇっ!」

「おーーい愁くーん」

……。


「なんかしゃべりましょうやーい」

……。



こいつ。こっちすら見ずに


ずっと前見て、何を不機嫌になってるんだ、

「せっかく一緒にいってんだからコミュニケーションとりましょうやー」

「…」

こんのっっ、中坊め!

「愁!!あんたっっなっ・・・

「あのさ…

隆のこと、

忘れたい??」


「へ??」



「どうなんだよ」

さっきまで全然こっち見なかったくせに、



今だけあたしの目をしっかり捉える。



弟だけどあたしとはまったく似てない

くっきりとした目でみられると、


そらせなくなる。

「そっそれわ…忘れたいけど、


 だって隆は彼女いるし。さ

 
 でも、ほんとにあたしは忘れたよ??」



「そっか…じゃあ…」

さっきまで真面目な顔してたくせに

次は少し口角をあげて、


いたずらっぽく笑うから

弟だけど、


弟なのに


ドキッとしてしまう。


女心。

「なによ…//?」


「俺が忘れさせてやる。」

「はい?」

なにをこの中坊愁ちゃんは昼ドラみたいなことを言ってるだ。



「覚悟しとけよ」



「意味が分からないんですが…



 あと、ほんとに忘れたって言ってんじゃん」