先生のこえにあわせ、みんなが並び始めて

体育館を走ったあとは、ストレッチ。

私は愛梨と離れて、隣の子のストレッチを参考にしながら、ストレッチをした。

次は何かな、と思って横を見たら

隣の子もこっちを見てて、目が合ってしまった。

「あ…どうも…」

とその子がちょっと笑ってくれたから

私も笑い返そうとした。

すると、ホコリを吸い込んだのか

鼻がすっごくむずむずして

「ぶッシューン!!」

…大きなくしゃみをしてしまった。

は、恥ずかしい……

チラッと横を見ると

その子はひとりでクスクスと笑いを堪えていた。

は、は、恥ずかしすぎる!

私は顔を両手で隠した。

すると耳の横にスゥーっと息がかかって

ハッと横を見るとその子の顔がどアップ。

「笑ってごめんね?大…丈夫?クスッ……」

笑ってんなら言うなよ〜〜!って思いながらもここは落ち着いて、

「だ、大丈夫だよ。ありがとう」

ふぅ、ちょっと声が震えたけど上手くいった。

「面白いね!!何て名前?」

面白いとかやめてほしいけど、

とりあえず答えよう。

「悠那だよ! 向井悠那。そっちは?」

「波留日向。は!る!い!ひ!な!た!」

「あ、ありがと!」

1回でわかるんだけどな…!