私たちはグラウンドのはしっこ、

屋根のある休憩広場で部活開始を待っていた。

雨はやみそうにない。


体育館の方をチラッと見てみると、

雨が入ってくるからか、オレンジ色のボールを持った女の子がドアを閉めていた。

「今日はバスケ部あるんだね」

「あぁ!そういえば、明日に地域交流戦があるから練習が増えたって言ってたなー」

「そうなんだ。てか誰?」

「え?そんなん覚えてるわけ…」

「みんな!おはよう!!!
遅れてすまん!申し訳ない!!」

愛梨の声を遮るように、先生がやってきた。

この先生は私たちの学校の名物先生。

熱血でとりあえず声がデカイけど、

面白いしみんなに大人気なんだ。

「今日のメニューを発表する!!」

「あぁ、階段、かいだん…カイダン……怪談…」

愛梨がうなだれる。

しかし、愛梨は救われる事になる。