「桜!」 ロビーをスタスタと歩いて帰っていく彼女の腕を掴んだ。 「なぁ、お前どうし…「離して!」 そう叫ぶ彼女に、ロビー内が一気にシンとした。 どうしたものかと見てくる他の社員や、知らん顔で通り過ぎてく人達。 そんな人達さえ、今の俺にはどうでもいい。 「頼むから。こっち向いて」 俺の手を振りほどけずに観念したのか、そっと彼女が振り返った。