「失礼します。海外営業部の一之瀬です。山城部長いらっしゃいますか?」 広報部に入って、そう尋ねた。 でも、山城部長の姿は見当たらない。 「あれ、桜さんじゃないですか!」 どこにいるのかと思っていると、パリ社で後輩だった松下隆司君が声をかけてきた。 「隆司君。久しぶりだね」 「同じ会社なのに会いませんもんね」 ニコニコ笑う彼は、相変わらず元気そう。 「山城部長知らないかな?」 いる様子がないからと隆司君に聞くと、彼はポカンとした表情を見せた。