そう言えば、マナ君はフッと笑みを浮かべた。
「当たり前だろ。別れてからずっと想い続けて。やっと手に入れたの、お前を。取り戻したとも言えるか」
どことなくストレートに言ってくる彼の言葉に、胸がキュンとする。
高校時代付き合ってた私達は、マナ君の浮気と私のフランスへの引越しによって別れることになった。
もう会うこともないと思ってたのに、まさかの帰国して最初の会社に上司としているなんて、こんなことある?
最初は彼をまだ好きだって自覚するのが怖くて逃げたけど、今は彼を好きなことが幸せ。
今思うと、この再会は運命なのかな、なんて乙女なことを考えるんだ。
「ま、とにかくさ」
真剣に見つめられながら近づいて来る彼の顔。
その唇が、私の唇に触れる。
「もう、離す気ないから」
そして耳元でそっと囁かれた。