「でもさ、これで俺らが付き合ってることみんなに分かってもらえたしょ?」
車の前に着いて、マナ君はイタズラに笑う。
「も、もともとみんな知ってるじゃない…!なのにどうしてそれを更に……んっ」
更に広めようとするの?
そう言おうとした私の言葉も虚しく、マナ君の唇によってそれを強制的に止められた。
あまりにも不意打ちで、もう何も言えなくなってしまう私。
ゆっくりと、その唇が離れていく。
「みんなに見せ付けたかったんだよ。桜は俺のだってね」
耳元でそう囁かれて、もうその怒りも消えてしまった。
顔が、熱い。



