ねぇ、どうして君は【Final】




「ちょ、ちょっとマナ君 !?」




みんなの前で名前を呼ばれて、挙句に抱きしめられて。



冷静でいられるはずもなく、顔が真っ赤なのを自覚しながら彼の名前を叫んだ。






でも、咄嗟に呼んだ彼の名前が引き金で。



「え、“マナ君” ?何。真那斗お前そう呼ばれてんの?」


「ひゅーひゅーお熱いねぇー」


「一之瀬さんかーわいー」




高校生のような茶化し方をされて、見事に逆効果。



マナ君は相変わらず涼しそうな顔して笑ってるけど、私はずっと顔が熱いままだった。





「ふふっ。桜可愛い」


私にしか聞こえないように耳元でそう囁かれたのは内緒。