「やーホント可愛いねぇ」 なんなんだこの人…。 軽い。軽すぎる。 「は、はぁ…。ありがとうございます」 なんか顔が引き攣る。 ちょ、ちょっと苦手かも。 するとその時。 ーーーーグイッ 「きゃ…っ」 何かに強く引っ張られてバランスを崩した。 と同時に感じる安心する暖かい温もり。 それが、彼の腕の中というのを理解するのにそう時間はかからなかった。 「悪いな樫本。桜に近付かないでくれる?簡単に名前も呼ばないで」 彼の、低い声が頭上からふった。