ねぇ、どうして君は【Final】



*・*・*・*



次の日。




「おはよ、一之瀬」


「あ、主任!おはようございます!」




あんなに幸せだった次の日でも、会社に来れば上司と部下。





いくら同い年でも、高校の同級生でも、恋人でも。



会社に来たらそんなのは関係ない。






仕事上では、彼は立派な頼れる先輩。



普段の彼も好きだけど、こうやって真剣に働いてる彼も好きなんだ。






「も〜。昨日はどんなデートをしたの?」


このこの〜、と隣のデスクの子に肘で突つかれる。





「ちょ、由唯。やめてってば」



小池由唯(コイケ ユイ)


私が異動してきた2週間前に配属されてきたらしく、この会社でタメで話せる友達。





他の人達はみんな先輩だから、当然敬語なんだけど。