カサ、と真那斗は茶色い封筒から一枚の紙を取り出した。 そしてその紙を早乙女さんに向けて一言。 「君に、人事部からの異動辞令だよ」 そう言った。 「え?」と、誰もが思うこの状況。 樫本さんだけはニコニコ笑っている。 「真那斗さん、それどういうことですか?あたし、ここに来てまだ1週間経ってません!」 早乙女さんは焦った様子で詰め寄った。 私も、彼女の言い分はごもっともだと思う。